僕の平成オナペット史

少年からおっさんに至るまでの僕の性欲を満たしてくれた、平成期のオナペットを振り返る

ローテーションに入れなかった美少女

 ゴルゴ13の初期の作品「飢餓共和国」で、主人公が肉体関係を持った女性にこのようなセリフを吐いている。


「もういい……二度三度とつづけて味わえる女は……そうざらにはいない……」


 僕も二〇一〇年代前半に発表されたイメージビデオ(IV)をDMM.com(以下DMM)でダウンロードしたり、動画サイトから拾い見たりして「この子ならオナペットにかなうだろう」と期待に股間を膨らませながらも、なかなか自慰回数が増えずにフェードアウトしてしまったグラビアアイドルがいる。僕が今でも重宝しているオナペットと同様、一級品の美少女にちがいないのだが、彼女たちの仕事に対する姿勢や態度、また作り手の演出技法が、僕の性欲を刺激させるには物足りなかったのかもしれない。


 佐々木絵里の競泳水着姿のグラビアを初めて見たとき、「これまたとんでもない美少女が現れたな」と驚きと興奮を新たに、動画サイトから彼女の作品を拾った。何作目かは定かではないが、セーラー服姿の佐々木が日本家屋の畳敷きの部屋に佇み、障子越しのシルエットの後に白ビキニを披露して、ちゃぶ台の上でくねくね動くチャプターに、性的想像力を働かずにはいられなくなり、夢中でペニスをしごいた。どう見ても下着よりも布面積が小さく、それを着せられた佐々木の恥じらいを浮かべた表情に、性的興奮が最高潮に達せないはずがない。


 その勢いで、僕はDMMから何作目かの「Pure Smile」をダウンロードしたが、思った以上に自慰の機会がなく、気づいたらその動画を削除してしまっていた。その後も佐々木が気になってはいくつかの動画を拾ってはみるものの、どの動画も彼女の表情や仕草がワンパターンで、僕の求める健康的なエロチシズムに欠けているから性的な感情移入ができず、ほかの素材に替えてしまったのが少なくない。


 新原里彩は中学生世代にしてすでに完成された美少女で、僕は長い付き合いになるだろうと思って動画サイトから彼女の動画を拾い集めた。十四作目の「学校なう!全部白水着」では下着姿も披露し、やりすぎではないかと眉をひそめつつも、しっかり素材として使わせてもらった。それ以外の動画でも性的興奮を高めようとペニスをいじってはみたものの、新原がカメラに向かって時折見せる「キャハハッ」という笑いが、それが彼女にとって撮影時の緊張感をほぐすための仕草だと前向きに解釈しても、どこか人を食ったように見えて自慰の手を緩めてしまった。


 それにしても、新原の活動期間はちょうど中学校在学時と重なり、十五作品ものIVを発表している。今日では絶対にありえない活動実績で、ジュニアアイドルのレジェンドとして功成り名を遂げたが、そこから先へのステップが踏めずにSNSで日々の生活を更新するだけの一般女性に成り下がっている。元グラビアアイドルの多くがかつての名義でアカウント登録せず、消息不明になっているのを考えれば、まだ芸能界とつながっていたい未練と自己顕示欲が垣間見え、みみっちさを覚える。ジュニアアイドルなど少女の肢体にしか興味を持たない特殊な性癖を持つ人たちにしか支持されないにもかかわらず、それを過大評価して自己研鑽を怠った女性の現在地と言えよう。