僕の平成オナペット史

少年からおっさんに至るまでの僕の性欲を満たしてくれた、平成期のオナペットを振り返る

人生初のイメージDVD

 僕の年間自慰回数が三十歳を迎えた二〇〇四年を境に減少を辿っていく一方で、グラビアアイドルの低年齢化はますます進んでいった。今日では、製販ともに十八歳以下の写真集やDVDの発売に及び腰になり、新作がまったく発表されないなど市場は壊滅状態になっているのだから、もはや隔世の感がある。率先して高校生世代の水着姿を中吊りや新聞の広告に掲載していた大手出版社が、権力側に抵抗せず、また表現の自由を突き詰めようともせずにそれらを「なかったもの」にしてしまったのは、ひたすら残念でならない。
 〇五年のトピックスとして、初めて映像作品を購入したことが挙げられる。そのグラビアアイドルの写真集が発売されなかったのがもっぱらの理由で、不覚にもその素材の名前を覚えていない。音楽の勉強のために福島から上京し、その手の高校に通っているというエピソードだけが妙に印象的で、その後「ピュア・スマイル」レーベルで幾度となくお世話になる竹書房の作品だったような気がしたが、同社のホームページの目録には掲載されていない。
 初めてのDVDは、全編のほとんどがいわゆる“捨てチャプター”で、実用性を欠いた代物だった。インタビューで尺を取るのはともかく、全編が芝居仕立てでカメラ目線で動いていないのだから、観賞する側は被写体との一体感が感じ得ない。しかも、写真集より約千円高く、僕にとっては静止画像での自慰にずっかり慣れきっていたこともあってか、DVDへのシフトは不要不急ではないと感じた。
 モデルの名前すら覚えていないDVD初体験だったが、写真集を出さずにDVDからデビューするグラビアイドルが、この当時から増えてきたように思える。実際に僕が自慰専用のポータブルDVDプレーヤーを買わざるを得なかったのは〇五年の秋頃だし、翌年には写真集との併用を経てDVDへの完全移行となる。セルビデオ店に並ぶAV作品も、すでにビデオテープは淘汰されていた。
 技術革新に抗うことなく、僕はDVDでの自慰に移行するのだが、動画に慣れきってしまうと画像で自慰するのは「もったいなさ」を感じてしまうのが、僕のみみっちい性分だ。かといって、ムックの付録によくあるメイキングDVDは、撮影の様子をダラダラと撮っただけで、ないほうがましだと感じさせるものばかりだ。結局、ぞのモデルの画像による自慰も長続きせず、動画作品を探し求めることを繰り返す。
 この項を書き終える段になっても、初めて購入したDVD作品のモデルの名前が思い出せないのは、とてもくやしいし、彼女に対して非常に失礼だと思う。この場を借りて本人に謝罪したい。僕はお世話になったグラビアアイドルの現在地にはまるで興味はないが、彼女に対してはどんな形であれ、当時のインタビューで語っていたように、今でも音楽の道を歩んでいると信じてやまない。