僕の平成オナペット史

少年からおっさんに至るまでの僕の性欲を満たしてくれた、平成期のオナペットを振り返る

忘れていたオナペット~鈴木あきえ編~

 僕の年間自慰回数が最多を記録した二〇〇四年と翌〇五年は、ひとえに石井めぐる滝ありさという終生忘れ得ないオナペットと、彼女たちの写真集を発行した彩文館出版の功績が大きい。自慰用の媒体が写真集から動画に替わり、それに伴う性的想像力の衰えと加齢によって、当時狂ったように自慰に耽った「Be―New―」と「ありんこ」が、今日においても素材になり得るかどうかは正直言って難しいが、三十代前半の僕の性欲を支えてくれた金字塔であることに変わりはない。


 石井と滝から大きく引き離された二番手グループは、野崎亜里沙中村知世などこれまで何人か紹介してきたが、今になってまだ漏れがあったことに気づいた。先に名前を挙げると、鈴木あきえだ。写真集とイメージビデオ(IV)を所持していたにもかかわらず、またも「忘れていたオナペット」として後追いで取り上げるとは、本当に自分が嫌になってしまう。この場を借りて本人に深く謝罪したい。


 鈴木は〇五年一月に、彩文館出版から写真集「Cheers」を発表。高校生世代で、それなりの美少女度と体躯を有していたので、僕の性的嗜好とシンクロした。過度な露出や演出があるわけでもなく、せいぜいビキニ姿を披露するだけだが、ビキニ越しに見える豊かな胸のふくらみは僕の性的想像力をたくましく働かせ、自慰を捗らせた。たとえ完璧な美少女でなくても、健康的なエロチシズムがいかんなく発揮されていれば満足だった。


 その後、僕の自慰用素材はIVへ移行したが、鈴木の作品も映像だけとなり、セルビデオ店で何度か商品を手に取ってはみたものの、当時は露出が極端に少なかったり、芝居仕立てだったりとはずれ作品をつかまされることも少なくなかったので、購入を躊躇った。それでもスクール水着姿のジャケット写真に惹かれて「目があうじかん」というタイトル名のIVを買った覚えがある。しかし、これも鈴木には大変失礼だが、自慰用素材として用いたわりには、今でも記憶に残っているほど印象的なチャプターがない。


 鈴木は「加齢→着エロ」というグラビアアイドルの定番路線を選ぶまでもなく、タレントとして成功した。地上波の人気情報番組のリポーターを長年務めたほか、結婚後はNHKの育児情報番組の司会者に起用されるなど、二人の子を持つ“ママタレ”としてリア充感あふれる芸能人生を歩んでいる。それは鈴木のコミュニケーション能力の高さにほかならず、地頭のよさが芸能界でも生かされた形だ。


 人前で水着姿になり、自慰用素材として消費されるグラビアアイドルの仕事など、檀蜜のような変わり者でもないかぎり、誰もがやりたくないはずだ。かといって、女優やタレントになるための能力やコネクション、それに運がなければ、グラビアを続けていくか、人知れず芸能界から去っていくしかない。しかし、芸能界だけが人生のすべてではなく、一般人としてひたむきに生きていく選択もある。鈴木が今後も引き続き活躍していくのを祈念するとともに、今まで僕の股間を熱くさせてくれた 元芸能人に対しても、ともに元オナペットとしてどこかで幸せに生きているのを願うばかりだ。