僕の平成オナペット史

少年からおっさんに至るまでの僕の性欲を満たしてくれた、平成期のオナペットを振り返る

現在進行形のオナペット~武田紗季編③~

 二〇一〇年代に最も多く僕の性的興奮を最高潮に達させてくれた、武田紗季のイメージビデオ(IV)「SAKIMO」は、全編にわたる水着姿での撮影に恥ずかしさを堪える彼女の健気さに対し、それに譲歩しようとせず男性目線に徹するカメラワークが妙な緊張感を生み出している。モデルを嫌がらせない予定調和からやや逸脱した作風が、かえって視聴者のカメラマンへの劣情移入を捗らせ、性的興奮の度合いもいっそう高めてくれる。それでいて着エロのような下品さや安っぽさはなく、モデルの素の表情や肢体を引き立てている。
 

 大人との駆け引きを知らない少女が、ともすれば下着よりも布面積の小さい水着を着せられ、ディレクターの言いなりになって動き回る。それをカメラマンが執拗に追い続け、モデルは自身の胸や股間をまじまじと映され続けているのをわかっていながらも、アイドルとしての役割を果たすために笑顔を絶やさない。とはいえ、気が触れた人間でもないかぎり、カメラが回っている間ずっと笑っていられるわけがなく、端々で素の表情に戻ってしまう。ましてや初めての撮影なら、緊張感が先立って作り笑いを浮かべるほうが難しいだろう。
 

 経験を重ねたグラビアアイドルが、デビューした頃に比べてすっかり垢抜け、過度な露出も厭わなくなるが、そのような作品にはすでに緊張感が削ぎ落とされ、カメラに向かって媚びを売り続ける。少女だった頃の川村ゆきえ西田麻衣には散々お世話になったのに、彼女たちが成熟した大人になり、レジェンドと称されるのを鼻白んでいるのは、やはり僕にとってグラビアの仕事は未成年、とりわけ高校生世代にかぎるという固定観念が強いからだろうか。
 

 3号ポルノの新作がめっきり発売されなくなっても、グラビアアイドルのIV市場が維持されているのは、“合法ロリ”に満足しきっている消費者に支えられているわけだが、そこにはモデルとディレクター、カメラマンの三者による予定調和の映像が垂れ流されるだけで、僕の性的興奮を昂進させてくれる緊張感が伝わってこない。二十歳を過ぎた女性に制服や競泳水着を着させたり、好きな男性への告白を匂わせる仕草を見せたりしても、明らかにリアリティを欠いている。

「SAKIMO」は全編にわたって余計な演出が一切ない。小芝居のような尺稼ぎのチャプターもなく、水着姿で動き回る武田に対し、カメラは彼女の全身、とりわけ胸と股間を追い続ける。3号ポルノでありながら実用性を追求した作風が実に潔く、モデルの美少女度だけで良作が完成できるはずもなく、やはりIVの視聴目的を突き詰めたうえで制作に臨むスタッフの力量も問われる。アイドルの虚構と素の両面をさらけ出したことが、僕がこの作品を手放せない最大の理由で、性欲のあるかぎりお世話になり続けるだろう。