僕の平成オナペット史

少年からおっさんに至るまでの僕の性欲を満たしてくれた、平成期のオナペットを振り返る

高学歴グラドルでの違和感

 僕は学歴厨ではないので、他人の出身校にはあまり興味がない。しかし、僕がこれまでお世話になってきたオナペットの中で、最も高学歴と言えるのは二〇〇七年二月に写真集「最初のありさ」(彩文館出版)でデビューした、黒田有彩ではないだろうか。都内の難関国立女子大学に通う学生という肩書きよりも、自慰素材として使える器量と体つきを感じ取ったので、迷わず写真集を購入した。高校生世代のグラビアアイドルでの自慰がメーンだったので、たまには大学生で性的興奮を高めてみようと思った。
 作品自体は、下乳を見せたり、布面積の少ない水着を着たりとデビュー作らしからぬ大胆さを感じ取ったが、黒田の表情がどこかぎこちなく、かといってそれが僕の性欲を高めさせてくれるほどの戸惑いや恥じらいではなく、真に拒絶しているように見えて、自慰回数は当初の予想を下回り、古書店送りとなった。ただ、黒田が良質の素材であることは間違いなかったので、写真集と同時制作されたイメージビデオ(IV)「有彩色」で、再度彼女を堪能してみたくなった。
 結果として、「有彩色」は僕の性欲発散を大いに捗らせ、写真集は単にカメラマンの技量不足にすぎなかった。その勢いで、二作目のIV「メビウス」も購入するほど、僕は黒田に夢中になったが、当時のほかのオナペットに比べると、彼女の内面に秘められている知性の塊のようなものが映像越しに伝わってきて、それは本気で仕事をしていないようにも見えて、僕の性的興奮の昂進を鈍らせた。黒田並みの器量のグラビアアイドルは次々とデビューしてくるので、飽きるのも早かった。
 似たような経験として、同じ年に沢菜々子というグラビアイドルもデビューしたが、彼女も関西の公立大学に通う学生だった。漫画誌で初めて沢のグラビアを見たとき、僕は絶対に彼女の写真集かIVを買おうと決め、翌年、二作目のIV「ずっと前から…」を手に入れたが、五回も使わずに古書店行きとなった。沢自身はビキニ姿を披露したり、挑発的なポーズを見せてくれたりしたが、やはり黒田と同様、本気さが伝わってこないから、僕の股間の反応も鈍かった。
 人前で肌を露出させ、しかもカメラ越しの不特定多数の視聴者を射精に導かせる仕事は、半端な気持ちではできない。しかも、撮影に臨むうえで何もかも吹っ切れていないと、僕自身もすべてをさらけ出して自慰ができない。当時の黒田にしろ沢にしろ、グラビアの仕事を蔑視とまではいかないが、多かれ少なかれ嫌悪感を抱いていのではないか。僕はそれを感じ取り、彼女らでの自慰には常に違和感があった。
 黒田は、YouTubeで宇宙関連のチャンネルを自ら開設。地道に活動しているが、現在進行形の黒田よりも、違法アップロードとされる「有彩色」のほうがはるかに再生回数が多いのは、彼女の需要が知的好奇心ではなく、性的興味が根強いことの表れだ。宇宙関連とはいえ、その道の専門家はいくらでもいるわけだし、インターネットしか拠りどころのない視聴者相手に博識を披露しても、グラビア同様、空回りに終わってしまうのではないか。