僕の平成オナペット史

少年からおっさんに至るまでの僕の性欲を満たしてくれた、平成期のオナペットを振り返る

実用性を欠いた写真集~永岡真実編~

 写真集市場において、高校生世代のグラビアアイドルのデビュー作を率先して上梓した彩文館出版には、僕もこれまで大変お世話になったが、中には「はずれ」を引いて即古書店行きのもあった。自慰を始めても性的興奮が高まらない、いわゆる実用性を欠いた作品で、素材としては歴代のオナペットとひけを取らないはずなのに、撮影時の衣装や演出に興ざめしてしまい、自慰回数が増えるどころか、その作品を使うのも嫌になるほど、僕の中では駄作と位置づけられた。
 二〇〇五年七月に発売された、永岡真実「真夏の実」がその一つだ。当時、僕がどうやって永岡を知ったのか覚えていないが、おそらく雑誌のグラビアで写真集発売の告知があって、そこから興味を持ったのだろう。まだ十五歳なのに成熟した体つきで、僕の期待度は急速に高まったが、いざ手にしてページをめくってみると、あまりの実用性の乏しさにがっかりしながらも、何とか所期の目的だけは果たした。
 「真夏の実」がなぜ実用性に乏しかったというと、本作品での永岡の表情や佇まいからエロチシズムが感じられなかったからだ。たとえ胸が大きくても、あまりにも外見が幼すぎて、大人への背伸び感がないままで被写体に収まったから、汚す側としては感情移入に戸惑った。所属プロダクションの指導や撮影現場の雰囲気でいくらでも変われるはずなのに、当時の永岡は運動選手が水着を着ているように見えて、僕の股間も反応するのに手間取った。
 以降、永岡はコンスタントに写真集とイメージビデオ(IV)を発表したが、僕は一作目の負のイメージから脱しきれず、それにロリ巨乳系は彼女だけでなく、ほかにも逸材が揃っていたので、僕の視界には入らなかった。ただ、YouTubeで永岡の着エロまがいの挑発的な動画がアップロードされているのを見て、その片鱗を一作目でも見せてくれればよかったのに、と「真夏の実」を買ったときの苦い記憶を思い出した。
 あの頃は石井めぐる滝ありさの双方で自慰回数のマッチレースを繰り広げていて、そこから大きく引き離された形で疋田紗也らが追走。完成度の低いロリ巨乳系が入り込む余地はなかった。むしろ永岡と同学年で、この年の九月にデビュー作「大好き‼」(彩文館出版)を発表した寺田有希のほうが僕にとって実用性に富み、翌年にかけてもIVを購入するほど性欲発散に寄与してくれた。寺田については、いずれ本稿で取り上げなければならない。
 購入前の期待度が高かったわりに、中を開いてみるとコレジャナイ感が高かったのはIVに顕著で、写真集は少ない。だからこそ、実用性に乏しい作品とモデルは十五年以上経った今でも鮮明に覚えている。表裏の表紙や帯の写真を十分確認して財布の紐を緩め、自室に戻って外装ビニールを破り、数ページめくったときにふつふつと湧いてくる違和感を溜め込みながらも、何とか射精に導こうとしたのは、約三千円分の対価を得るための作業だったのではないか。