僕の平成オナペット史

少年からおっさんに至るまでの僕の性欲を満たしてくれた、平成期のオナペットを振り返る

90年代AV備忘録

 僕の自慰素材のほとんどは十五歳から十八歳までの女性だが、五、六年周期でAVを用いたくなる。とはいえ、一、二回使わせてもらっただけで飽きてしまい、再びお世話になることはない。唯一、忘れた頃に見返してしまうのは「体育倉庫」という盗撮物で、六分足らずの尺にもかかわらず高校生カップルの性交の様子が生々しく、僕が初めて見てから四年以上経ってもネット上で拡散され続けているほど、女子校生好きにはたまらないコンテンツだ。
 僕がAVを素材に用いていたのは、大学生活と社会人になってからのほんの一時期だ。九〇年代前半は飯島愛や憂木瞳、桜樹ルイなどが代表的だったが、僕はAVでもマイナー志向を貫き、彼女たちの作品を一度も借りたことがなかった。一週間レンタルが可能な旧作で新人第一作を好み、同じ女優の作品を複数借りた経験は少ないから、今となってはそれらの作品の展開をかすかに覚えていても、女優の名前はすっかり忘れてしまった。
 記憶を紐解くと、三人の名前が挙がる。
 まず、鈴木奈緒だ。僕が借りた鈴木の作品の展開は、どういうわけか今でも鮮明に覚えている。OLに扮した鈴木が、同じ会社に勤めている男と同棲し、勤務時間中にもかかわらず複写室で性交に及び、その際に複写機が何度も作動する。鈴木は男のために会社内で不正を働くが、上司に見つかってセクハラの餌食となる。その様子を男が盗撮(盗聴?)していたため上司は失脚、鈴木と男が再び絡み合って幕を閉じる。鈴木の喘ぎ声が複写機の作動音とかぶるのと、上司の射精の飛距離が見事な演出だ。
 次に三森杏奈だ。「初恋ゼリー」という作品名でデビューした三森は、AV出演が家族にばれてしまったのを理由に即引退となってしまった。作品の終わりにテロップで引退の経緯を流したのに後味の悪さを覚え、三森は家族との関係がより険悪になってしまうのでは、と僕は勝手に心配した。
 巨乳とロリータフェイスを併せ持った三森は、一回目の絡みでパイズリと本番を経て射精した様子に、「大量だね」と感想を漏らしながら安堵の表情を見せ、三回目の絡みでは彼氏役の男優と乳繰り合っている際、「一日何回オナニーしてるの」と訊いた。出演を強要されているような素振りはなく、三森本人も楽しそうに撮影に参加しているのが画面越しで伝わるのに、デビュー即引退とは惜しいかぎりだ。
 もう一人は白鳥美香(桜井涼子)だ。旧作しか借りたことがない僕が、ジャケットを見て初めて新作を借りずにはいられなくなったのが白鳥のデビュー作「処女宮」で、男優に胸や陰部をいじられながらインタビューに答え、彼氏の家での初体験に「感激した」と何の躊躇いもなく打ち明けた後、本番へと移る。僕が白鳥に夢中になったのはスリムな体型には不釣り合いな大きな胸で、次作も借りるほどお世話になった。
 三人のほかにも、男優のペニスをいじっている最中に泣き出したり、男優が学生服のスカートに射精したり、いやらしい喘ぎ声と被さった潮吹きの際に男優(吉田潤)が「土へんじゃなくてさんずいのシオだよ」と説明してくれたりした作品を覚えているが、出演女優の名前が出てこない。いずれも有名にならなかった新人の第一作だと思うので、今後も特定するのは難しいだろう。